洗剤が生物に与える影響

序論

皆さんが毎日使用している洗剤。食器や調理用具などを洗うのに使用している身近な物ですが、「飲むな危険」や「混ぜるな危険」といった何やら物騒な注意書きが必ずあります。即ち、洗剤とは毒を含むものなのです。
では、その毒とは一体どれ程の強さの物なのでしょうか。皿を洗いながらふと考えた僕は慌てて皿を洗い終え、白紙のレポート用紙にようやく題を書き入れました。
僕が動物愛護法に反するかもしれない実験をすることにしたのはこのような次第です。?
実験に使用する物

・ビーカー  ・洗剤  ・水  ・スポイト  ・メダカ数匹

実験に使用した洗剤

 ・「ファミリーピュア」 ・「キッチンブリーチ」 ・「パワープラスジョイ」

 尚、洗剤の濃度は0.5%、1%、2%の3通りです。

 また、いずれも台所用洗剤で、ファミリーピュアは中性、パワープラスジョイは弱アルカリ性、キッチンブリーチはアルカリ性です。?

実験方法

  1. ビーカーに水を入れる
  2. 水にスポイトで決められた量の洗剤を溶かす
  3. その中にメダカを数匹入れて、様子を観察する
結果

1%

種類 2分 4分 6分 8分 他界
ピュア 暴れる 動かない 底にいる 暴れる 15分後
ブリーチ 動かない 上にいる 上にいる 弱る 15分後
ジョイ 動かない 動かない 上にいる 上にいる 22分後

2%

種類 2分 4分 6分 8分 他界
ピュア 底にいる 底にいる 暴れる 弱る 11分後
ブリーチ 底にいる 上にいる 弱る 動かない 12分後
ジョイ 動かない 動かない 上にいる 底にいる 17分後

5%

種類 2分 4分 6分 8分 他界
ピュア 変化なし 変化なし 動かない 暴れる 27分後
ブリーチ 変化なし 動かない 底にいる 弱る 28分後
ジョイ 変化なし 動かない 暴れる 上にいる 35分後

考察

この実験で、洗剤は水にたった0.5%溶けているだけでもメダカの命を絶つことができるということが分かりました。

また、洗剤の種類によって毒性が異なるのは何故なのかと思い詳しく調べた結果、成分が微妙に異なっていることが分かりました。

ファミリーピュアとパワープラスジョイの成分はほぼ同一でしたが、大きな違いはファミリーピュアに含まれる「アルキルグリコシド」とパワープラスジョイに含まれる「アルキルアミンオキシド」の効果の違いです。「アルキルアミンオキシド」は毒性が弱く「肌が荒れにくい」とのことですが、対する「アルキルグリコシド」は元々細胞膜を破壊するために作られた物なので毒性が強いのです。

また、キッチンブリーチに含まれる「次亜塩素酸ナトリウム」は洗浄ではなく殺菌用に作られた物なので、毒性が強いのだと考えられます。?

最後に皆さんが「アルキルアミンオキシド」などという舌を噛みそうな物質名なんかではなく、「我々は日頃から毒を持つ物を使っているのだ」と少しでも思っていただければこの実験は意味のある物になるでしょう。そして、この実験のために命を落としてまで協力して下さったメダカ達を褒め称えましょう。